家の価値は22年でゼロ!?
国税庁によって設定された資産価値のある期間です。
税法上の価値が0円になります。修繕やリフォームなど管理が行き届いている戸建てなら中古市場で値段は付きます。それでも10年で半分、20年で2割ぐらいの価値になってしまいます。
土地は別なので注意です。
よくある戸建て(首都圏駅からそこそこ近い土地のもの)を5000万円で買って、22年後に価値がゼロと言われるが違います。建売ならば、土地3500+建物1000+利益500とかいう内訳になるので土地としての3500万の価値は残ることになります。利便性の良い土地であれば、地価の値上がりは銀行の預金利息よりは高い値になります。ようは土地貯金になります。マイホーム購入も立派な不動産投資です。
(逆に、土地500 +建物4000+利益500 とかだと、500の価値しか残りません)
経済的価値と陳腐化
税法上の価値とは異なる、経済的価値もあります。戸建ての経済的陳腐化に関する論文があったの、ここで紹介します。
建物設備の進化に伴う既存住宅の経済的陳腐化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/86/779/86_219/_pdf
家の価値が下がる理由はニーズとのミスマッチです。なので、新築には価値があっても中古には価値がありません。価値がなくなる理由は大きく分けて以下の三つだそうです。
- 築年数
- 性能や設備の劣化と陳腐化
- 流行の間取りや設備がない
一つ目の築年数は当たり前ですね。
次の住宅性能や設備の劣化と陳腐化ですね。性能の陳腐化とは、例えば耐震等級が法改正されて昔の基準となってしまうことです。旧耐震基準の家は評価が低くなります。設備の劣化とは、主に水回りであるキッチンやユニットバス、トイレなどが該当します。もちろん劣化も価値に反映されるのですが、当たり前となった設備が無いことも評価の対象です。
次は流行の間取りや設備がないことです。これは今で言うとWICやリビング階段、吹き抜けなどが該当します。ただ、こう言うのは廃れるのも早いので評価が難しいです。流行りの設備というのは、当たり前ではないけど普及率が年々増えているものです。今で言うと、床暖房や宅配ボックス、複層ガラス、浴室乾燥などです。
日本の家はインフラというより、ファッションに近い要素が多いのかもしれません。
長持ちする家の価値
以上から言いたいことは、日本の住宅環境において長持ちする家というのは市場が余り求めてないということです。市場が求めているのは築浅で流行に沿った物件です。となると、長く持ち価値のある家というのは難しいです。長くても築60年で建て替えか、スケルトンリフォームになります。子の代までは持っても孫までは難しいです。
なので、個人的にハイコストメーカーで家を建てる人の「子に家を残してあげたいから良い家を」というのは微妙だと考えてます。子に土地を残すならわかりますが。そもそも、子からしても築30年の家は嬉しいのでしょうか。子はいいにしても、その配偶者は?となります。
余談ですが、我々夫婦が新築の物件を買った理由の一つが「妻が築50年の実家には住みたくない」でした。自分は別にマスオさん状態になっても良かったのですが、妻が嫌ということで家を買いました。子供が生まれて衛生管理がより厳しくなり、綺麗な家に住みたいとのことです。人によっては新築には化学物質等のシックハウスがあるという人もいますが、ここでは議論しません。
長くなったの記事を二つに分けました。
次の話はどうやって家の価値を長持ちさせるかです。