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アルミ樹脂複合窓は内部結露する⁈

 

複合サッシは内部結露するのか

複合サッシでは内部結露になり危険という意見があります。私も最初はそう考えていたのですが、今は懐疑的です。というのも、窓枠の周囲は固定と強度のため木枠で囲われます。その厚みは50mm程度です。その部分の内部結露を気にするのであれば、間柱や構造用合板の内部結露も気になります。ましてや、木製サッシも厚みが50mm以下の部分があります。しかし、結露しにくいとアピールされます。

複合サッシの時だけ何故か内部結露を指摘されます。しかし、内部結露は防湿層の連続性がないことによって発生します。つまり、防湿層に穴があるから内部結露です。もちろん、防湿層もしっかりやって更に樹脂サッシならば完璧でしょう。樹脂サッシならば防湿層に多少の穴があっても、内部結露になりにくいとは考えます。しかし、複合サッシならば内部結露すると言うのは違うのではと考えます。

日本は地震、火事、台風と窓に求められる性能がヨーロッパとは異なります。準防火地域では、強度と断熱のバランスを考えると複合サッシは悪い選択ではないと思います。

 

内部結露する条件

内部結露するには、室内側の温かく湿った空気が壁の中や窓枠の隙間に入る必要があります。平家ではあまり問題にならないのですが、2階以上の上層階がある建物だと冬場の温度差によって発生する浮力から下層階は負圧、上層階は正圧となります。

これによって、上層階は室内の温かく湿った空気が隙間を通って内部結露するという条件が揃います。ちなみに、樹脂窓だろうと気密が悪いと内部結露は発生します。

北海道の調査ではC値2.0以下では目立つ劣化はなく、あっても開口部周辺だそうです。開口部周辺は気密が甘くなりやすく、気密テープでしっかりと施工しないとそうなるようです。

3種換気の場合

上層階では正圧になると上に述べましたが、それは自然換気での状態です。例えば3種換気であれば室内は負圧となります。元々、正圧だった上層階は3種換気により無圧に近くなるか、微負圧になると考えられます。気密が悪いと微正圧ですが、元の自然換気の状態より軽減されます。そうなると、温かく湿った空気は隙間に入りにくくなるため内部結露も少なくなります。

3種換気での隙間換気
北海道⽴総合研究機構 村⽥ さやか 北⽅型住宅技術講習会資料より引用

1種換気の場合

では1種換気ではどうでしょうか。3種換気と異なり室内が負圧になりません。そのため、上層部では正圧となり温かく湿った空気が隙間に入る可能性があります。気密性が悪い(C値2.0以上)と問題になるかもしれません。ここは、正確な調査やデータが無くなんとも言えないのです。

1種換気での隙間換気
北海道⽴総合研究機構 村⽥ さやか 北⽅型住宅技術講習会資料より引用

とは言え対策もあります。シンプルに室内を負圧にすればいいのです。1種換気を採用してる家でも、局所換気があるかと思います。その局所換気を冬の間だけ24時間稼働にすればいいわけです。理想としては、外気温と室内気温の差が10度を超えたら自動で稼働するですかね。

 

複合サッシだから内部結露するのではない

以上よりアルミ樹脂複合窓だから内部結露するのではなく、気密性が低い事と室内側が正圧となる事で内部結露になります。もちろん、アルミ樹脂複合窓の方が内部結露になりやすくなる可能性は十分にあります。しかしそれは、原因ではなく副次的な要因です。

 

樹脂窓かアルミ樹脂複合窓か

もちろん、樹脂窓の方が素晴らしい性能です。ですが、準防火地域等を考えるとアルミ樹脂複合窓も十分選択肢に入ると思います。準防火地域でないなら、樹脂サッシ一択ですが。

なお、アルミ樹脂複合窓には性能が悪いのもあるので、ちゃんと選ぶ必要があります。

リクシルの場合、引き違いのFG-Lはやめた方がいいです。せめてFG-Hか、ハイブリッド窓TWを推奨します。縦すべりや横すべり、FIX等はFG-Lでもそこそこの性能が出るので悪くはありませんが、やはりTWが良いのではと思います。そこは、お財布と相談です。