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エアコンの選び方と部屋の広さ 18畳の部屋には18畳用エアコンは必要ない⁈

エアコンの選び方と部屋の広さの結論

エアコンを買いに家電量販店に行くと部屋の広さを販売員に確認されると思います。しかしちょっと待ってください。エアコンに表示されている対応する広さというのは戸建ての場合、築30年以上前の家に取り付ける前提となっています。

築20年以内だったり新築だったりすると、そこまで大きい広さに対応したエアコンは必要ないかもしれません。

いろいろと条件があるのですが、単純化すると以下のような感じになります。

  • 窓がシングルガラス:畳数表示の0.8倍程度の広さに対応
  • 窓がペアガラス(上階部屋):畳数表示の1.5倍程度の広さに対応
  • 窓がペアガラス(上階屋根):畳数表示の1.2倍程度の広さに対応

エアコンの購入費用を節約したいという方は一考されてみてはいかがでしょうか。

細かい話は以下に続きます。

エアコンの畳数表示は無断熱の家

 

エアコンの畳数については「JIS C9612」という規格で定められています。

この畳数表示というのが曲者で、昭和55年以前の無断熱の家に取り付ける場合で計算されています。南向きの洋室で1m^2当たり265Wと規定されています。6畳は10m^2なので定格2.5kWのエアコンが対応するという感じです。

 

単位面積当たりの冷暖房負荷<JIS C9612より一部抜粋>

無断熱の家はどれくらいのUa値?

無断熱の家ってどんな感じかと言えば、古い木造住宅を想像していただければ分かるかと思います。冬は外と変わりません。

さて、そんな無断熱の家の断熱性能はどんなものでしょうか。いろいろと計算があり、家の条件によっても変わってきます。検索するとサイトによってバラバラです。まあ、そりゃそうです。だって無断熱で基準なんてないんですから。

ここでは、経産省のエアコンに関する資料の値から参照します。

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/air_denki/pdf/003_04_00.pdf

それによると「Q値7.7 ≃ Ua値2.7」だそうです。サイトによってはUa値3.2と表記しているところもありました。

東京の断熱等級4でUa値0.87ですから、3倍近くもしくはそれ以上の熱が逃げている計算です。そりゃあそんだけ熱が逃げるならエアコンは効きが悪く、石油ストーブ等の輻射熱タイプの暖房が昔の家では重宝されるはずです。

 

新しい規格での畳数目安

そんな無断熱の家を基準にエアコンを選ぶのは下策であることが分かって頂けたかと思います。では、昭和55年以降に建てられた家、つまりは断熱等級2以上の家の場合はどうやって選ぶのが良いでしょう。

先程話した「JIS C9612」は何回か見直しがされており、断熱のある家でのエアコンに関しては「空気調和・衛生工学会」の規格が参照されて書かれています。部屋の方角や窓の大きさ、上が屋根か部屋なのか条件によって異なる能力が設定されています。その規格もいろいろと変わっているのですが、現段階では「SHASE-S 112-2009」となっています。

ざっくりと畳数目安の何倍までの広さに対応するかというと、以下のような感じです。

  • 断熱等級1(無断熱): 畳数0.9~1.3倍
  • 断熱等級2・3  : 畳数1.2~1.5倍
  • 断熱等級4     : 畳数1.5~1.9倍

 

より詳細に条件を設定したい場合は、以下のサイト等で計算できます。

www.id-c.co.jp

criepi.denken.or.jp

 

今時の建売ならば断熱等級4程度はあるので、首都圏の18畳以下のLDKならば10畳用のエアコンでも十分です。

それ以上の広さだったり、隣に6畳の和室があるとかリビング階段とかあるならば、14畳用エアコンになるという感じです。

よくエアコンを選ぶ時は余裕を持って上の能力があるのを選ぶと言いますが、それは断熱等級1(無断熱)の場合のみです。築30年以上の家であればそうすべきですが、築20年以内の家ならばそもそも畳数どおりでも余裕があります。畳数が小さいエアコンほど値段が下がるので、その分節約になります。新築で窓がペアガラスならば尚更のこと小さい畳数用のエアコンで十分です。

エアコンをフルパワーで動かすと壊れやすいなんてことも聞きます。しかし、そんな状態にするには窓がシングルガラスの12畳の部屋に6畳用のエアコンを付けたりしない限りありえません。エアコンメーカーのポジショントークと考えます。

住んでる家の断熱等級の見分け方

自分の住んでいる家が果たして断熱等級のいくつなのか把握してる人は少ないと思います。築30年以上であれば恐らく無断熱だと思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。ここでは、温暖地(首都圏など)での簡単な木造住宅の断熱等級の見分け方を紹介します。

  • 床や天井に断熱材が無く、窓はシングルガラス:断熱等級1
  • 床や天井に断熱材が有り、窓はシングルガラス:断熱等級2 or 3
  • 床や天井に断熱材が有り、窓はペアガラス:断熱等級4

床や天井に断熱材が入ってるかは、覗けばわかるかと思います。床や天井に断熱材が入っていれば壁にも入っているはずです。

まとめると

上記の内容を単純化すると、窓がペアガラスなら表示の1.5〜1.9倍の部屋まで対応し、シングルガラスなら表示と同じ広さのエアコンが対応するという感じです。

ただし、上の計算は設定温度が20℃と少し低めです。設定温度を23℃にすると、必要となる出力は2割弱増えるのでそれらを考慮すると以下のような結論になりました。

  • 窓がシングルガラス:畳数表示の0.8倍程度の広さに対応
  • 窓がペアガラス(上階屋根):畳数表示の1.2倍程度の広さに対応
  • 窓がペアガラス(上階部屋):畳数表示の1.5倍程度の広さに対応

断熱等級5以上の畳数計算は?

上の規格やツールでは断熱等級4までのエアコン畳数計算となっています。ではそれ以上の断熱等級5や6ではどうするのが良いでしょうか。有志の方が作製した便利な簡易計算ツールが既にあります。

 

www.2x6satoru.com

 

せやま式 エアコン容量 早見表

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元となった計算式は高気密高断熱の設計で有名な「株式会社松尾設計室 一級建築士設計事務所代表 松尾 和也先生」が考案したものです。規格化されたものではありませんが、よく使われておりデファクトスタンダードとなっています。

 

エアコンのパワーを上げても足元は温まらない

断熱等級6や7を標準仕様として取り扱うHMや工務店であれば詳細な計算を行って、エアコンを選定してくれるかと思います。しかし、ローコスト系で断熱等級4が標準仕様のHMや工務店では計算をしてくれることは少なく、施主自らが計算する必要があります。

そもそも、断熱等級4の家を建てておいて18畳の部屋に20畳のエアコンを薦めてくるのが現状です。そんなにパワーは必要ありません。

暖かい空気は風船のように上へ浮かび、冷たい空気は水のように下へ流れます。そしてこの2つはなかなか混ざり合いません。天井からの暖かい空気を増やしても、天井ばかりが温まるだけです。足元にある冷たい空気には影響ないので、体感温度はいつまで経っても寒いままです。シーリングファンやサーキュレーター等で天井の暖かい空気を床に叩きつけるか、床の冷たい空気を天井に打ち上げる必要があります。

 

www.eakon-koshou-shuuri.com

エアコンというのは、冷房の時は本体より下の空間を冷やして、暖房の時は本体より上の空間を温める傾向があるという理解が必要です。

効率重視のエアコン選び方へ続く

さて上と同じ事をしても面白くないので、ここでは少し他とは違った条件で適正なエアコン能力を計算してみます。それは効率重視です。立ち上がりは無視して考えます。

と思いましたが、記事が長くなったので別の記事に分けます。

 

e-tonbo.hatenablog.jp