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ホーク・ワンで建てるセミ注文住宅 -埼玉で3階建て狭小ローコスト住宅-

防火地域での窓選び 樹脂窓か?内窓か?どちらが得? 

我が家はオープンハウスグループのホーク・ワンでセミオーダーという形で家を建てました。当時は窓に対する知識も浅く、とりあえずオプションで高性能にすればいいだろうという感じでサーモスLからサーモスXに変更しました。

ここで問題が発生しました。我が家は準防火地域に建つため、窓に防火性能が必要となりオプション費用が高額になります。結局、窓の数を減らすなどしてもサーモスLからサーモスXへの変更には85万円程度かかりました。

e-tonbo.hatenablog.jp

それからしばらくして内窓という存在に気づきました。というか知っていたのですが検討すらしていませんでした。それは金額が高額になるからです。ですがそれは、防火地域以外の話です。防火地域は断熱性能の良い窓に変更するのに、100万円近くのコストアップです。これならば内窓の方がいいかもしれません。

ということで当時の見積もりを見ながら概算してみました。

 

内窓の種類

内窓にも種類があって、引違い窓とFIX窓、開き窓に分けられます。対して通常の窓は引違い窓、縦すべり窓、横すべり窓、FIX窓があります。内窓を付けたあとでも、窓を開け閉めして換気するという前提では引違い窓と縦すべり窓にしか設置できません。

LIXILインプラス ラインナップ(公式サイトより)

また、基本的には縦すべり窓や横すべり窓、FIX窓は引違い窓に比べて断熱性能が高く、気密性能も高いです。

そのため内窓を設置するならば弱点となる引違い窓をオススメします。あとは、FIX窓でもサイズが大きいと断熱の弱点になるのでありかと思います。

防火窓 断熱性能(熱貫流率)比較

引違い窓で見積もり

サーモスL防火窓からサーモスX防火窓へのオプション費用は以下のような感じでした。YKK APのAPW330防火窓でもそこまで金額には差はないと思うので同様に考えて頂いて結構です。なお内窓はネット見積りの結果です。

xn--v6qu41h.com

幅1600×高さ1800引違い窓

  • サーモスX:9.5万円
  • 内窓(複層ガラス):10.5万円

 

幅1600×高さ900引違い窓

  • サーモスX:6.5万円
  • 内窓(複層ガラス):6.5万円

 

ここで注意点が一つあります。サーモスXの値段は2022年2月頃のものです。2023年3月の今では2割以上値段が上がっているはずです。それを考慮すると補助金が無くとも内窓が得です。

newsroom.lixil.com

内窓の補助金

今はまさに「先進的窓リノベ事業」が始まったばかりです。これは補助金としては破格の内容となっております。これを利用するなら確実に内窓の方が安くて高性能になります。

問題はこの補助金はいつまであるのかということと、いつまで外側の窓が複層ガラスでも対象かということです。

個人的には今から家を建てるのであれば、あったらラッキーぐらいに考えて置くのがよいかと思います。

www.ykkap.co.jp

内窓のメリットとデメリット

内窓にもメリットとデメリットがそれぞれあります。ここで簡単に紹介します。

メリット

  • トリプルガラスより断熱性能が高い
  • 気密性が向上する
  • トリプルガラスより窓が軽い

メリットから順に説明します。まずトリプルガラスより断熱性能が高いとは、サーモスLに複層ガラスの内窓を付けると熱伝導率が1.1を切ることが可能です。これはトリプルガラスのAPW430より高性能になります。

気密性が向上するについては当たり前ですが、引違い窓の一重より二重のほうが気密性も上がります。

トリプルガラスより軽いというのはそのままで、外窓も内窓もペアガラスなのでその分軽くなって開け閉めに必要な力は少ないです。ただ、次のデメリットでも説明しますが開け閉めの回数は倍です。

デメリット

  • ガラス熱割れのリスク
  • 外窓と内窓の間が結露する
  • 開け閉めが二倍になる

次はデメリットについて説明です。

内窓を付けると熱割れのリスクが増えます。とは言え、外窓がLow-eで内窓もLow-eの場合です。心配ならば内窓は一般複層ガラスにすることをオススメします。

外窓と内窓の間に結露が発生することがあります。室内の暖かい空気が外窓と内窓の間に入ると結露の原因となりますが、こればかりは仕方がありません。

開け閉めが二倍になる。これは当たり前の話で窓が二つあるので開け閉めも倍になります。

 

樹脂窓にすべきか内窓にすべきかそれが問題だ

高性能断熱窓(アルミ樹脂複合と樹脂サッシ)にオプションでするか、内窓にオプションでするか悩みどころです。防火地域でなれけば樹脂サッシ一択ですが、防火地域や準防火地域では樹脂サッシもアルミ樹脂複合サッシも性能差がほぼ無く高額です。なにしろ防火窓だけで値段は3倍近くになります。結局、ペアガラスの内窓と値段が変わらないのです。

というわけでコストを抑えつつというコンセプトで複数のプランを提案します。

窓はケチるな!(ただし予算の範囲で)

準防火地域で高性能断熱窓であるAPW330やサーモスX、TWを採用しようとすると一軒につき100万円近いコストアップとなります。窓はケチらず選んで頂きたいですが、予算もあるので以下の例から自分にとってベストとなる選択をしてください。

  • 全ての窓 標準防火窓(FG-A、FG-L、防火窓G、エピソードⅡ GNEO)
    コスト◎ +0円
    断熱△
  • 引違い窓 標準防火窓+ペアガラス内窓
    その他窓 標準防火窓
    コスト○ +50万円(内窓に補助金を使えば◎ +30万円)
    断熱◎
  • 引違い窓 高性能断熱防火窓(サーモスX、TW、APW330)
    その他窓 標準防火窓
    コスト○ +60万円
    断熱○
  • 全ての窓 高性能断熱防火窓
    コスト△ +100万
    断熱◎
  • 引違い窓 標準防火窓+ペアガラス内窓
    その他窓 高性能断熱防火窓
    コスト△ +90万円(内窓に補助金を使えば○ +70万円)
    断熱◎×2

窓は高性能にしたけど、キッチンやバスルーム、食洗機のランクを下げたとか元も子もないですから。