よわよわ理系 家を建てる

ホーク・ワンで建てるセミ注文住宅 -埼玉で3階建て狭小ローコスト住宅-

オープンハウスのオプション 窓の断熱性能編

この記事は以下の記事とセットの内容となっています。

 

e-tonbo.hatenablog.jp

 

e-tonbo.hatenablog.jp

 

 

防火窓とは

家を建てるとき、その土地が防火地域もしくは準防火地域ならば開口部つまり窓等を一定の遮炎性能を有するものにする必要があります。
法的には防火設備と呼ばれ、同様の性能の窓と扉を含めて「防火戸」と呼ばれます。
遮炎性能として20分間炎を遮るというものです。
詳しくは下記の記事を参照してください。

 

e-tonbo.hatenablog.jp

そしてこの防火戸が費用で問題になります。普通の窓に比べてとても高価なのです。そしてオプション費も高額になります。また、ガラスは網入りが標準となり見た目がよくありません。これを耐熱ガラスにすれば網無しになりますが、その費用もそこそこします。
ただしシャッター付きすると、シャッターが防火設備となるので窓は普通のものになります。とは言えシャッターもそこそこの値段ですので、コストダウンになるかというと微妙な感じです。安くなる事もあるようなので見積りして確認するのが一番かと考えます。

標準仕様とオプション防火窓の断熱性能

ホーク・ワンの窓の性能について、カタログには数値が書かれておらずどのくらいの差があるのは不明でした。そこでメーカーのカタログから熱貫流率を取り出してまとめました。

ちなみに、標準の窓がYKK APLIXILかで少し変わります。とは言え、防火窓だとそこまで性能の差はありません。

防火窓の種類別熱貫流

私の場合はLIXILが標準仕様だったので、標準でFG-L、オプションでサーモスXでした。おそらく今ではTWになってると思うので、そちらも記載してます。また、参考にAPW330も記載しました。

補足事項がいくつかあります。まず、窓の種類についてです。引き違い窓(テラス)というのは、樹脂サッシのAPW330にしかない項目です。人が通る大きさの窓の事ですが、樹脂サッシでは強度の問題で構造が異なり断熱性能にも差が出るようです。複合サッシではそんなことないようです。横滑り窓の高所というのは、その名のとおり高所用窓のことです。オペレータとカムラッチというのは、ハンドル形状の違いです。

標準とオプションでは結構値が違います。しかし防火窓としてみると、複合サッシも樹脂サッシも大差はありません。人が通れるサイズの窓では、複合サッシのが断熱性が高いです。準防火地域の方は何が何でも樹脂サッシとする必要はないと思います。

さらに引き違い窓と縦すべり出し窓やFIX窓では、同じシリーズでも引違い窓の方が断熱性能が低いです。FIX窓を多用した方が、予算を抑えつつも断熱性能を高めることができます。

 

オプション防火窓の不都合な事実

ここで少しメーカーにとって不都合な事実があります。私も後で気がついたことです。標準仕様のFG-Lではペアガラスの空間が乾燥空気です。メーカーのカタログにはこれをアルゴンガスにするというオプションがあります。アルゴンガスにすると断熱性能が上がります。それを含めた表が下です。

FG-Lアルゴンガス入りの熱貫流と比較

どうでしょう。オプションのサーモスXなのに性能が悪い窓があります。また、オプションのTWと同値もあります。自分はコレを知らずにいたので、全ての窓をサーモスXにしました。ホーク・ワンやオープンハウス・ディベロップメントでアルゴンガス入りに変更できるか不明ですが、これから建てる方は営業に相談するのがありだと思います。ガスの変更はだいたい2000〜3000円が相場なので、ホーク・ワンとかでは倍の4000〜6000円程度で変更できると予想されます。サイズにもよりますが、窓のオプションは3〜5万円以上するのでアリだと思います。

幸いな事に我が家は、オペレータの縦滑り窓は2つのみです。というのも、断熱性を優先して縦滑り窓の多くをFIX窓に変更しました。

温暖地でも窓の熱還流率は最低でも1.9以下で、可能ならば1.6以下とするのが良いと考えます。理由としては、不快なコールドドラフトを抑えるには最低でもそれぐらいの性能が必要です。シングルガラスと比較してコールドドラフトを半分以下(風速)に抑えるには窓の熱還流率は1.6が必要となります。

 

ちょうどいい塩梅のオプション仕様

数値を見ても結局どうするのがいいのかとなると思うので、それも表にまとめました。前提条件として断熱材のオプションは付けます。費用と断熱レベルはあくまで目安なので、ご注意ください。

断熱レベルと費用

断熱材のオプションと引き違い窓のみオプションでも断熱等級5(ZEH)にギリギリ届きます。全ての窓をTWにすると、HEAT20 G1にギリギリ届くかも?というレベルです。

コスパを考えると、真ん中の引き違い窓はオプションのTW、それ以外の窓はオプションでアルゴンガスにするがちょうどいい塩梅になるかと思います。これで断熱等級5(ZEH)を十分に満たすことができるレベルです。繰り返しの注意ですが、家の形状や窓の数や大きさでUa値は大きく変わるため、あくまで目安です。

断熱を重視される方はTWのオペレータハンドルではなく、TWのカムラッチハンドルを選択するようにしてください。

ちなみに電気代は全ての窓をTWにして、年間で約15000円程度の削減です。ちょうどいい塩梅のTWとFG-Lアルゴンで約13000円程度の削減です。20年で26〜30万の削減となります。元を取るという事はできません。防火窓は高すぎです。

 

引違い防火窓はシャッター付きの方が安いらしい

ここでは計算を省略しましたが、更に断熱性能を上げたいという方はシャッター付き引き違い窓の採用を検討すると良いと思います。同じ引き違いでもシャッター付きの方が通常の窓になり性能が(0.2ぐらい)上がります。物によってはシャッター付きのが安いこともあるようです。私は後で知りました。営業さんから提案されなかった。。

ガラスの「断熱タイプ」と「遮熱タイプ」

ちなみに、Low-Eガラスには2種類あって「断熱タイプ(日射取得型)」と「遮熱タイプ(日射遮蔽型)」と言うのがあります。恐らく標準仕様だと遮熱タイプになります。

なんで2つあるのかと言うと、遮熱した方がいい場合と熱を取り入れた方がいい場合があるからです。例えば冬は太陽の熱を取り入れた方が暖房費が安くなります。

一般的には南に断熱タイプで、そのほかの方位は遮熱とするようです。しかしそれは、庇や軒で夏の強烈な日射が南側では遮られる場合です。都市部の庇や軒が無い家は、南側も遮熱タイプが良いと思います。その分、冬の日射所得は期待出来なくなりますが、、

オープンハウスで建てる方は性能より立地やデザイン優先な事が多いので、ガラスをどうするか特に聞かれませんでした。なので、標準だと一般的な遮蔽タイプになると思います。

ちなみに、庇や軒が無くとも日射を遮る方法はあります。世の中にはアウターシェードという便利な物があります。スタイリッシュな、すだれです。今から建てる方はこれも検討してみてはいかがでしょうか。ちなみに後付けもできます。

 

その他の窓オプション

断熱性能以外にも以下のようなオプションがあります

  • シャッター付き
  • 耐熱ガラス
  • 防犯合わせガラス

我が家はどれも採用しませんでした。3階には台風対策でシャッターを付けようかと検討しましたが、妻が音がうるさくていらないという事で付けませんでした。

耐熱ガラスは網が無くなるのでリビングの窓にでも付けようかと思いましたが、妻がタダでさえ断熱でオプションが高いから不要という一言で付けない事に。ちなみに、シャッターをつけると網無しガラスになるので、今から考えると引き違いには全てシャッターを付けても良かったかなーと少し後悔しています。

防犯合わせガラスは、後付けでフィルムを貼れば問題ないことと修理費が高いという妻の意見で不採用になりました。

 

オプション単価の目安

オプション費の目安は以下のとおりです。ただし、21年10月頃の費用です。

  • 引き違い(大:人が通る大きさ):10万
  • 引き違い(中:腰高窓):6万
  • 横滑り(高所):6万
  • 縦滑り横滑りFIX(中):3.5万
  • 縦滑り横滑りFIX(小):2.5万
  • 標準窓アルゴンガス:4000〜6000円(予想)
  • シャッター付き 不明
  • 耐熱ガラス(網無し) 不明
  • 防犯合わせガラス 不明

アルミやらガラスやら樹脂やらが高騰してるので、ここから2割以上の値上げになると思います。

 

補足

ここから先はマニアックな話になるので、読まなくても問題ありません。

上の数値を見るとわかりますが、FG-LとTWは同じラインナップとなっています。断面図を見ると部品等を共通化してるのがわかります。オペレータハンドルの窓は、ほぼ同じ構造です。TWのが樹脂の範囲が少し広い程度です。

対してサーモスXは構造が複雑で他のどの窓とも似ていません。専用設計という感じです。コストかかってるなぁというのが正直な感想です。樹脂サッシとの価格競争もあり、これは利益率悪いだろうなという印象を受けました。ラインナップからすぐ消えたのも少しわかります。

後継のTWは製造ラインの共通化などが考えられているなぁと思います。構造も単純になってます。FG-Lは数年前にリニューアルされたので、恐らく共通化とコストダウンの一貫と考えられます。TWはコストダウンと性能改善がされており、いい製品と感じます。

そのコストダウンの結果が、オペレータハンドルと高所用窓の性能ダウンかと思います。まあ、性能重視の方はカムラッチハンドルを選択するので、問題としなかったのだと思います。

それならばいっその事こと、TWのラインナップからオペレータハンドルと高所用は無くしても良かったのではと思います。

とは言え、FG-Lはサーマルブレイク構造ではないので、熱貫流率に差は無くとも結露等で差は出ると考えられます。

 

その他のオプション

その他のオプションへのリンクは以下の記事にまとめてあります。

e-tonbo.hatenablog.jp